1.大腸がんとは?
2.大腸がんのリスクファクター
3.大腸がんの予防法
4.大腸がん検診の実施内容等
5.大腸がん検診受診時の注意点
6.大腸がん検診体験記
1.大腸がんとは?
大腸がんは、がんによる死亡原因の上位を占めます。令和元年の東京都福祉保健局「人口動態統計」によると、東京都のがん部位別死亡数のうち、男性第2位、女性第1位の死因となっています。40歳過ぎから増加しはじめ、高齢になればなるほど多くなるのが特徴です。
大腸がんは大腸粘膜からできる悪性腫瘍(悪性のできもの)で、発生部位によって上行結腸がん、横行結腸がん、下行結腸がん、S状結腸がん、直腸がんなどに分けられます。がんの発生した部位によって、手術方法や手術後の生活の仕方が異なることがあります。また、大腸がんの60~70%は大腸の左半分にあたるS状結腸から直腸に発生しますが、最近では右半分にあたる上行結腸がんも増加傾向にあります。
大腸がんの症状としては、血便(便に血が混じる)、下血(肛門から出血する)、便通異常(便秘、下痢、便秘と下痢を繰り返す)、便柱狭小(便が細くなる)、残便感(便が出きらない感じ)、腹痛、腹部膨満感、腹部のしこり、貧血、吐き気などがありますが、これらはいずれも進行がんの症状であり、早期の大腸がんには、ほとんど症状はありません。
2.大腸がんのリスクファクター
(危険因子)
全てのがんは、いくつかの遺伝子の異常が重なることによって発生します。大腸がんの中には、「家族性大腸ポリポーシス」と「遺伝性非ポリポーシス大腸がん」という2つのがん遺伝家系があり、
がん発生の原因となる遺伝子も見つかっています。また、そのような家系でなくても血縁者でがんになった人がいる場合には、そうでない人より遺伝子に異常が起こりやすいと考えられています。
また、飲酒や喫煙に加え、肥満がリスク要因とされています。
3.大腸がんの予防法
食物繊維を多くとり、バランスのよい食事をすることを心がけましょう。アルコールは大腸がんの危険因子であるといわれているので、飲酒はほどほどにしましょう。 ウオーキングなどの適度な運動は予防効果があるといわれています。
また、
定期的に大腸がん検診を受けることがとても大切です。男女ともに40歳以上の人は、年1回、大腸がん検診を受けましょう。
要精密検査となった場合は、必ず精密検査を受診してください。
○お住まいの区市町村のがん検診について詳しくはこちら
「
区市町村のがん検診担当部署」(東京都福祉保健局)
4.大腸がん検診の実施内容等
大腸がん検診は、問診と便潜血検査(2日法)です。
便潜血検査は、便ががんやポリープなどの表面と接触することによって付着した、
目に見えない出血の有無を調べるもので、簡単で有効な検査法とされています。
大腸がんは、他のがんに比べると治しやすいがんです。早期発見・早期治療をすれば、治療後の経過(予後)は良好で5年生存率(診断から5年後に生存している割合)は95%以上といわれています。
ポリープ内にごく早期の大腸がんがある場合には、内視鏡を見ながらポリープを切除するだけで完治することもあります。
早期がんの場合は、最近ではお腹を切らずに小さな穴を開けるだけで大腸が切除できる腹腔鏡(ふくくうきょう)手術も行われています。
5.大腸がん検診受診時の注意点
検診では、これまでかかった病気や、家族歴(血縁者で大腸がんになった人の有無)について聞かれますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
痔で出血しているとき(※)や月経のときは、便潜血検査で要精密検査の判定が出てしまうことがありますので、採便を控えてください。
また、正確な検査を行うために、採便後の保管は冷暗所(冷蔵庫等)で行い、保存期間(採便から検査受付までの日数)はできるだけ短めにしてください。
(※ 痔の出血についても自己判断は危険です。専門医の診断を受けましょう。)
6.『 大腸がん検診体験記 』
国では、大腸がん検診は、40歳以上が対象で、1年に1回受けることを推奨しています。
これから、がん検診を体験してみましょう!
※1 |
大腸がんの検診は検便を行い、便の潜血検査(便に目に見えないような血液が混じってないかを試薬を用いて調べる方法)をします。 |
※2 |
検便は別の便から2回とる方法が一般的です。同じ日でも別の便から採取するのであれば構いません。 |
※3 |
便潜血検査が1回でも陽性であれば必ず大腸内視鏡検査(大腸カメラ)などの精密検査を受けましょう。自己判断は禁物です。
大腸内視鏡検査では大腸ポリープや早期大腸がんを発見できます。また内視鏡下でポリープを切除することもできますので、ポリープ内のごく早期のがんはそれだけで完治します。
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